刈り取る
黄金色を刈り取る
六月 緑の波が
田んぼに吹き渡り
七月 白い無数の花が
産声を振るわせ
八月 稲の色取りが
一日ごとに変わっていく
見ているだけで
落ち着く心と
飽きることのない風景を
ずっと誰かが続けてきた
豊作を祈願する
村の氏神さんの周りに
田んぼが
無くなっていくことに
違和感を無くし
気づかないふりをして
今年も
少しの罪の意識と一緒に
黄金色を刈り取る
田んぼの一年へ